脳の中の幽霊 V•Sラマチャンドラン

脳の中の幽霊　V•Sラマチャンドラン　サンドラ•ブレイクスリー　山下篤子:訳

随分と前に話題になっていた気がする本。私はどうも、リアルタイムでは話題の作品を摂取しない傾向がある…本も映像も音も。天邪鬼の自覚はないけれど。

テレビで見たことのあるミラーボックスの実験は、この著者の考案したものだったのか…科学の進歩が速かったり情報が多かったりするとはいえ、無知が過ぎる。

幻肢痛とか、神経系の疾患について取り上げているけれど、ただの症例報告ではなくて考察や洞察、実験で確かめたことなどが書かれていて、面白かった。脳卒中で人格が変わる原因等も記されていて納得した一方、わからないことがまだまだたくさんある事も理解した。

脳とは何か？という好奇心をくすぐる話題が多かったけれど、読むうちに、意識とは？実感とは？自己・自分って何？など、哲学的な感覚も自然と湧き起こる。

化学物質過敏症は、代謝等の問題もあるけれど、自律神経等の神経系の不調もある。何か、自分の脳を騙すことによって症状が改善したりするんだろうか？プラセボ効果やパブロフの犬じゃないけど、何かの条件付けで過敏性を抑えたり…。