yukino_halu’s diary

日常の雑記。

協力と裏切りの生命進化史 市橋伯一

物質の発生−生命の発生−単細胞−多細胞−…−現在のヒト等。

タイトルの「裏切り」が想像できなくて、この本を手に取った。

裏切りとはちょっと言い過ぎな気がする。生命の進化においては、独善の方がしっくりする、私にとっては。

内容は中高生の時に学んだ理科(生物)でぼんやりと知っていたことも多かったが、協力と裏切りというキーワードによって、脳内の引き出しが上手く整理されたように思う。

進化に関する文章を読むたびに思ってしまうのは、進化には「何か大いなるチカラ」が関与しているのではないかということ。私自身は無神論者だけど、偶然と時間の積み重ねで、こんなにも多様な生物が生まれるものだろうか?生命が存在して進化することは、地球(惑星)にとって良いことなんだろうか?など。

社会学の実験を例に、人間社会における協力と裏切りについても記述があった。協力と裏切りがあるから、社会が進化する。個体・種族の進化だけでなく、社会の進化も協力と裏切りというキーワードで説明できる。宇宙飛行士が言う「人間はちっぽけ」に通じそうな感慨を抱いた。